日本農業新聞 – [2017衆院選] 女性輝く社会 足踏み 安倍農政 目標 … – 日本農業新聞



 安倍政権が発足して5年弱。安倍晋三首相は就任以来、女性の社会参画を目指して「すべての女性が輝く社会づくり」を進めているが、成果が伸び悩んでいる現状が農水省などのデータから浮き彫りになっている。10日の公示を受けて、衆院選がスタートした。安倍農政の成果が問われる中、女性参画の視点も重要になる。

 首相は2012年12月の就任以来、成長戦略の柱の一つに「すべての女性が輝く社会づくり」を掲げている。15年12月に第4次男女共同参画基本計画を立て、目標数値を設定し、閣議決定した。

 政府は15年、農業委員会の活性化や女性参画を目指し、農業委員会法を改正した。「委員の年齢、性別等に著しい偏りが生じないように」と選挙を廃止し、任命制に変えた。市町村長が推薦・公募に応じた人を任命する。

 積極的に活動する農業者を取り入れようと、委員の過半数は認定農業者が占めるようにもした。だが、女性の認定農業者は全体の2・5%、夫婦でも2・0%と低い。このため、「女性を任命しにくい」との声も上がっている。

 茨城県鉾田市の農業委員、箕輪美代子さん(58)は「公募になったが、立候補しやすい環境は整っていない。自ら手を挙げる女性は少ない」と話す。

 

家族協定伸びず

 家族経営協定の締結数も伸び悩む。05~08年の4年間では年平均10%程度増えていたが、安倍政権下の13~16年では3%。政府は、夫婦での申請で農業次世代人材投資資金を1・5人分給付するなど後押しし、20年までに7万件の締結を目指すが、達成は危ぶまれる。

 農業分野の女性参画に詳しい日本農村生活学会の安倍澄子会長は「締結数は6万5000件に届くはずが、5万6000件にとどまっている。メリットの認知度が低く伸び率が小さい」と指摘。農業委員が農業者にメリットを説明して普及するが、委員の高齢化で難しくなっているという。

 

支援策あるが・・・

 農水省は12年度から「チャレンジする女性への支援のための施策」として、農林水産業を志す女性を応援するために九つの事業を用意。16年度予算では409億円を計上した。だが、そのうち女性農業者のためだけに確保された予算は1億円だけだった。

 6次産業化に必要な施設導入などで女性を優先する事業もあるが、認知度は低い。女性の起業活動数や基幹的農業従事者は年々減少しており、事業の効果が上がっているとは言えない。

 

JA独自で登用

 政府は20年までに、上場企業とJAの役員のうち15%を女性とする目標を掲げた。企業では3・4%にとどまる一方、JAの女性役員登用は7・5%と高水準だ。JAが目標数値を設定するなど独自の取り組みの成果が上がっている。

 JA女性協の川井由紀会長は「JA独自で女性の登用を進めてきたが、目標には届いていない。政策支援があればもっと進むはずだ」と訴える。(高内杏奈、山崎笙吾)




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