ツシマヤマネコ野生復帰計画 対馬に訓練施設 – 読売新聞



 環境省は、動物園で繁殖させた国の天然記念物ツシマヤマネコを自然に戻すための訓練施設として、対馬市厳原町のあゆもどし自然公園に設置した「ツシマヤマネコ野生順化ステーション」で一般の猫2匹を試験的に飼育し、設備の課題などを検証している。2017年度にもヤマネコを受け入れる方針で、野生復帰させるための技術開発に取り組んでいる。

 ステーションは1995年、同省がツシマヤマネコの絶滅回避を目的にした保護増殖事業計画に基づき整備。2013年4月、調査研究棟、寝室・放飼場や治療室などがある一時収容棟が開所し、14年度末までに草地や樹木、池などの自然環境を再現して金網で囲んだ6か所のケージ(平均約0・5ヘクタール)も完成した。

 計画では、飼育下繁殖事業に協力している佐世保市や福岡市、京都市など全国9か所の動物園で生まれたヤマネコを1匹ずつ入れて飼育。ネズミなどを捕食させたり、危険回避や繁殖などの能力を引き出したりし、自然の中で生きていけるように訓練して野に放す。

 ヤマネコの受け入れを前に、同省は16年3月から、施設内でロシアンブルーと雑種の2匹を飼育。5人のスタッフがケージから脱走したり、病気やけがをしたりしないかを確認しながら飼育技術を研究している。監視カメラの配置など設備を点検し、飼育に必要な人員数などの検討も行っている。2匹の猫は健康に過ごしているという。

 施設を管理する同省対馬自然保護官事務所厳原事務室の高辻陽介・自然保護官は、「スタッフが情報共有や細やかな打ち合わせなどをしながら慎重に飼育している。ヤマネコを受け入れた後は、さらに万全な飼育と施設運営をしていきたい」と話している。




こんな記事もよく読まれています