元寇船発見の松浦市、水中考古学拠点に – 佐賀新聞



 鎌倉時代に襲来した元寇(げんこう)船が見つかった海底遺跡「鷹島神崎(こうざき)遺跡」がある長崎県松浦市は、水中考古学の拠点にしようと研究センターを4月に開設する。元寇船の保存に向けた取り組みの一環。市によると、国内に水中遺跡に特化した機関はなく、担当者は「水中考古学の魅力やノウハウを発信していきたい」としている。

 鷹島神崎遺跡は鷹島の沖にあり、2011年10月、沈没した元寇船が見つかった。船体の構造が分かる状態では初の発見で、14年10月には2隻目も確認された。市教育委員会はほかにも沈没船や武具などが眠っているとみて、海底探査を続けている。

 センターは、引き揚げた木製のいかりなどの保存処理を進めている市の施設に併設する予定。

 元寇船は2隻とも、船体の長さが10メートル以上。だが、腐食を防ぐため海底の土中に埋め戻され、現在も引き揚げられていない。センターでは引き揚げ後の保存技術の研究を進めるほか、水中調査に必要な潜水や遺物の実測ができる職員の育成もしていく。

 市によると、中国や韓国には水中での発掘調査をする国立の研究機関がある。鷹島神崎遺跡の調査を主導してきた琉球大の池田栄史教授(考古学)によると、日本では水中遺跡の保存や調査費用の負担などについて国と自治体の関わり方が明確に定まっていなかった。池田教授は「松浦市の研究センターが中心となり、人材面などで国の協力も得ながら調査研究していけるのではないか」と期待している。【共同】




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