工事土砂が河川流出 長崎市上水道に悪影響 メガソーラー 業者、工程表守らず(長崎新聞)



 長崎市琴海戸根町のメガソーラー建設工事現場で生じた土砂が濁った水となり8月中旬以降、同市琴海地区の戸根川と同市外海地区の神浦川上流に流れ込んでいる。業者は開発申請時に県に提出した工程表を守っていなかったと認め、住民代表らに謝罪した。両川の水を使用している市の上水道事業に悪影響が出ており、農業水利や河川環境への被害を懸念する声が広がっている。

 工事は再生可能エネルギー事業を全国展開しているウエストエネルギーソリューション(本社広島市、永島歳久社長)の事業。県の林地開発許可を得て、6月に着工した。山林約28ヘクタールを切り開いて造成し、約6万枚のソーラーパネルを設置する計画。

 関係者の話を総合すると、最初の異変は降雨のあった8月15日ごろ。両川に通常の増水時よりも濁った水が流れ込み、戸根川の濁水は大村湾まで到達。神浦川上流の濁水は市内最大の水がめ、神浦ダム湖面の広範囲を覆った。

 戸根川から水道用水を取水している戸根浄水場では、流入する濁水が処理能力を超えたため、約700世帯の上水道が約1日濁り、市上下水道局が給水車を出して対応した。また、神浦ダムなどから送水を受け約4万5千世帯に水道水を供給している手熊浄水場では、約1週間にわたり、不純物を取り除くため薬品を通常より10~30%増量して対応した。

 その後、降雨があった8月25日ごろ、今月7日ごろにも、両浄水場に濁水が流入。手熊浄水場では薬品の増量、戸根浄水場では給水ラインの切り替えで一定期間対応した。市上下水道局浄水課は「薬品増量や職員の時間外出勤など予定外の対応を迫られた。濁水の原因を作った業者に対して補償を請求することを協議中」という。

 戸根川流域の住民は「増水するほどの雨でもないのに水が濁り、雨がやんでも元通りの清流に戻らない。農業用水や環境への影響が心配だ」と話す。

 県は河川への土砂流入の原因を確認するため、8月17日以降に複数回、工事現場を調査した。県によると、業者は土砂流出を防止するための調整池や沈殿池を完成させた後に、森林伐採をして表土を剥ぎ取る本体工事をする工程表を県に提出していたが、土砂流出を防ぐ工事と本体工事を同時に進めていたという。

 同社関係者は今月11日、県や市、戸根川流域の住民代表が同席した話し合いの席で、「防災工事が不十分なまま本体工事に入ってしまい申し訳ない」と謝罪。10月中旬までに新たな調整池を造るなどの土砂流出防止策を示した上で、被害が生じたものについては補償協議に応じる姿勢を示した。県は「地元第一の姿勢で施工するよう」指導を強化する構え。

長崎新聞社



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