Uターン起業のカフェ人気 松浦出身の松永良二さん 妻と経営、交流の場に



 松浦市出身で名古屋市からUターンした松永良二さん(60)が松浦市志佐町庄野免に4月に開いた喫茶レストラン「ガーデンcafe柞(いす)の木」が、市民の交流の場として人気を呼んでいる。

 店は市中心部から車で約5分の丘の上。モダンな一軒家風で扉を開けると吹き抜けの高い天井に目を奪われる。店のすぐ近くで生まれた松永さんは鹿町工高(佐世保市)を卒業後、東京の電気工事会社に就職。2年後に名古屋支店へ転勤し、32歳の時、名古屋市南区で独立した。

 電気工事の現場は「コーヒーコーヒーまたコーヒーで、いつの間にかコーヒー好きになった」という松永さん。休日に若い仕事仲間を自宅に招いてバーベキューをするのが楽しみだった上、「朝食は喫茶店のモーニングサービス」という習慣が根付く名古屋暮らしが長くなったこともあって、還暦を迎えたら古里で飲食店を営もうと思うようになった。帰省するたび、かつて仲間で集まった喫茶店や映画館などがなくなり「集まる場所がない」という嘆きを聞くことも増えていた。

 退職後、一念発起。名古屋生まれの妻京子さんとともにコーヒー会社の指導者に付き、コーヒーの立て方やサンドイッチの作り方などを1年間みっちり学んだ。夢をかなえ、4月に開店。店名はそばに立つ3本のイスノキから取った。伊豆半島以西の暖地に分布し、赤い花を咲かせる木だ。

 Uターンしてみると、人との巡り合わせにも恵まれた。同級生のおいに当たる守山農園代表の守山清和さん(36)は放し飼いの鶏が産む黄身の色が鮮やかな卵を提供してくれ、佐世保市江迎町のパン店は松永さんがほれた無添加のパンを毎日、届けてくれる。おかげで名古屋流のモーニングサービスをメニューの目玉にでき、ふわふわのシフォンケーキや日本遠洋旋網漁業協同組合(松浦市調川町)から仕入れる氷でつくるミルクセーキも1年を通して提供できるようになった。

 狙い通り、休日は主に男性客の憩いと交流の場となり、平日は女性客が世間話に花を咲かせるようになったが、課題もある。「フェイスブックや口コミなどで認知度を高めたい。外食レストランチェーンとは違う雰囲気づくりに努めながら、おいしいものを提供し、松浦にカフェ文化を浸透させたい」と夢の続きを語る松永さんの隣で、京子さんが穏やかな笑顔でうなずいた。

=2017/09/13付 西日本新聞朝刊=




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